マイセン「ブルーオニオン」とは

概要

マイセンの代表作ともいえる「ブルーオニオン」は1739年に発表され、現在まで多くの人に愛され続けているシリーズです。
1739年にマイセンの絵付師J.D.クレッチマーが中国写しの染付の技法を用いて、白磁の上に酸化コバルトのブルーで模様を描き完成させました。

もともとは玉ねぎではなく中国のザクロを描いたもので、初期のころは忠実に描かれていましたが、ドイツで見慣れないザクロは徐々になじみ深い玉ねぎへと姿を変え、「ブルーオニオン(青い玉ねぎ模様)」と名づけられました。描かれたすべての模様は東洋哲学に由来したもので、一つ一つに意味があります。例えば、ザクロは繁栄、桃は邪気を払う、竹は不老不死を意味しています。

絵付には、大きく分けて「下絵付」(染付)と「上絵付」があり、ブルーオニオンは下絵付の技法で描かれています。下絵付の場合には、絵付は約900度で行なわれる「素焼き」のすぐあとに行なわれます。レンガのような状態のところに絵付するため、顔料は一気に滲みこみ、描いた後は二度と修正することができません。そのため、ブルーオニオンを担当するペインターには、細密な柄をミスなく一気に描き上げる高度な技が必要なのです。絵付後、釉をかけて約1400-1450度で「本焼成」すると、顔料が鮮やかな藍色に姿を変えます。

現在世界中には約50種類のブルーオニオンの食器が存在します。なかでも世界三大ブルーオニオンといえば、マイセン、フッチェンロイター、カールスバードですが、本家本元はマイセンだと言われています。マイセンのブルーオニオンは、現在も一つ一つ職人による手書きで作られています。類似品が増えすぎたため、マイセンのブルーオニオンには1985年頃から竹の根元に双剣マークが描かれるようになりました。

バリエーション

マイセンには、ブルーオニオンがベースとなった派生シリーズも存在しています。

ブルーオニオン スタイル

「ブルーオニオン スタイル」は、2005年、ブルーオニオン270周年記念の年に生まれた新しいデザインです。「日常の芸術」をめざすマイセンが伝統的なブルーオニオンの柄を現代のフォームに置き換えました。現代のライフスタイルを考えて作られた「ブルーオニオンスタイル」は、かなりすっきりとしたデザインとなっていて、モダンな室内にも溶け込むデザインです。

ブルーオニオン レッド&ゴールド(カラーオニオン)

「ブルーオニオン レッド&ゴールド」は、マイセンの代表作のひとつ「ブルーオニオン」に朱色と金の装飾が施されていて、「カラーオニオン」とも呼ばれます。下絵付けの作品に上絵付けと金彩絵付けを加えるので、その手間と工程が一気に複雑になります。見た目と彩色の豪華さは、定番のブルーオニオンとは一線を画す華やかな仕上がりです。

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