ロイヤルコペンハーゲン「フローラダニカ」とは

概要

「フローラダニカ」はロイヤルコペンハーゲンの最高峰コレクションで、「世界一贅沢なディナーサービス」ともいわれています。フローラダニカは直訳すると「デンマークの花」という意味です。

1970年、当時デンマークと密接な関係にあったロシアの女帝エカテリーナ二世への贈り物として製作がはじめられました。描かれる植物のすべては「フローラダニカ植物図鑑」にあるデンマークの花々で、当時は2600点以上の作品を制作する予定でした。絵付けはヨハン・クリストフ・バイエルという絵付師がすべてを描く予定でした。1796年、エカテリーナ二世の崩御によって計画は中断されましたが、その時点でフローラダニカは1802点完成していました。
以降、フローラダニカは1803年のクリスチャン七世の誕生会をはじめとする特別な席で、高貴な食器として使い続けられました。当時つくられたフローラダニカの食器のうち1530点が現存していて、ローゼンボーグ城に国宝として保管されています。

フローラダニカの特徴は、磁器の上に熟練の職人によって描かれた、まるで標本のように正確なデンマークの植物、そして専門の職人による金彩装飾です。職人の手間と数多くの工程を経て作り上げられた美しさは、ロイヤルコペンハーゲンのクラフツマンシップの集大成ともいえます。

フローラダニカは一つの作品につき、最低二人の職人により仕上げられます。一人が花のモチーフを、一人がゴールドを描きます。いくつものパーツにわかれている作品は、その分多くのペインターの手が必要となります。フローラダニカは現在も、200年前と同じように1点ずつ職人の手によって仕上げられています。色ごとに5回以上焼成する工程も、当時のままです。

バリエーション

フローラダニカはデンマークの植物を描いた作品ですが、動物や魚をモチーフにしたシリーズもあります。

ファウナダニカ

「ファウナダニカ」は直訳すると”デンマークの動物”という意味になります。その名の通り、動物をモチーフにしたシリーズです。動物本体だけでなくその前景や背景も緻密に絵付けされていて、フローラダニカに比べて絵付けの面積が多くなっています。ファウナダニカを絵付け出来るペインターは数人とも言われており、時代を代表するマイスターペインターともいうべき職人達が渾身の技術で描きあげたものといえます。
1960~80年頃に、フローラダニカのシリーズを拡大するために作られましたが、その製作期間の短さもあり現存するものは極めて少なくなっています。
ファウナダニカの中には魚をモチーフにしたものもあり、いまにも泳ぎだしそうな精巧な絵付けがされています。

フローラヤポニカ

「フローラヤポニカ」のヤポニカは日本のことです。2017年、日本とデンマークの外交関係樹立150周年を記念して、初めての他国である日本の花を描いた「フローラヤポニカ」が発表されました。こちらも植物図鑑「フローラヤポニカ」を原画として、フローラダニカの伝統的な技法で作られています。

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