概要
「カポディモンテ」はリチャード・ジノリの最高級シリーズで、ギリシャ神話やローマ神話をモチーフにして作られています。
もともとカポディモンテの発祥はリチャード・ジノリではありません。
カポディモンテは、イタリアのナポリ近くにスペイン王・カルロス三世(ナポリ王)が設立した窯のことです。カルロス三世がマイセンの創始者の孫娘であるマリア・アマリアとの結婚をきっかけに磁器への関心を強め、1743年にカポディモンテ窯を開いたことから始まります。マイセンに対抗するかのように、カルロス三世は豊富な財力で資金援助を行い、質の高い陶器を作り出していきます。しかし1759年にカルロス3世がスペイン王を継承するためにスペインへと戻ることになり、ナポリのカポディモンテ窯は閉ざされてしまいました。「本物のカポディモンテ」とは、この16年の間に製作された作品のことを指しますが、現存するカポディモンテ窯の作品は非常に少なく、美術館所有のコレクション以外にはほとんど存在しないと言われる幻の陶器となりました。
その後カポディモンテ窯は、同じナポリの窯であるリチャード・ジノリに全ての権利が買い取られました。当時の手法をリチャード・ジノリが継承し、現在でもリチャード・ジノリではカポディモンテと称したレリーフ調の作品の制作が続けられています。
カポディモンテをリチャード・ジノリが受け継いだ後、カポディモンテシリーズは食器だけでなくフィギュリンにも可能性を広げていきました。特に19世紀中ごろにつくられたフィギュリンは緻密な作りで、イタリアの名家にコレクションされることもあったそうです。
リチャードジノリのカポディモンテには特別仕様のバックスタンプが使用されていて、王冠マークにナポリのイニシャル「N」、「Ginori」の文字が一緒にデザインされています。
バリエーション
カポディモンテは神話風景を薄い浮彫で表現していて、彩色しない「カポディモンテ ホワイト」と彩色された「カポディモンテ カラー」があります。
「カポディモンテ カラー」はレリーフに手作業で彩色され、金彩が施されています。「カポディモンテ ホワイト」は彩色こそされていないもののレリーフとその陰影が際立ち、光と影が美の世界をつくりだします。
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