柿右衛門
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柿右衛門
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柿右衛門について

柿右衛門ってどんな窯元?特徴は?
知って得する豆知識をご紹介します。

柿右衛門は有田焼を代表する陶芸一族で、当代は十五代目です。「濁手(にごしで)」と呼ばれる乳白色の白磁に、赤絵を基調として草花を描いた作品が特徴です。「濁手」の由来は乳白色の素地が米のとぎ汁に似ているところからといわれています。 余白を生かした左右非対称の構図で濁手の色を見せ、野山に咲く草花や鳥を繊細に描く色絵磁器が人気です。

柿右衛門の歴史は江戸時代である17世紀前半に、酒井田喜三右衛門が赤絵磁器の焼成に成功したことから始まります。酒井田喜三右衛門が後の初代柿右衛門その人です。初代はその後、濁手の白磁に色鮮やかな花鳥図などの上絵を焼き付ける、柿右衛門様式と呼ばれる磁器の作風を生み出して確立させました。

有田の磁器は急速な進歩をとげ、中国の磁器にかわり東インド会社の手によって広くヨーロッパに輸出されます。
中でも柿右衛門の赤絵は特に賞賛され、18世紀になるとヨーロッパ各地の窯で「柿右衛門様式」の倣製品が数多く生産されました。ドイツのマイセン窯、オランダのデルフト窯、フランスのシャンティー窯など、ヨーロッパの数々の有名窯元も柿右衛門様式に衝撃を受け、柿右衛門写しの作品を多く作りました。ハンガリーの高級食器ブランド「ヘレンド」は、柿右衛門のデザインをから代表作「インドの華」を作り上げました。日本だけでなく世界の陶磁器に大きな影響を与えたという点で、酒井田柿右衛門は他の陶芸作家とは一線を画しています。

柿右衛門様式に必要不可欠なのが、美しい乳白色の素地を作り出す濁手の技法です。通常の磁器の素地が青味がかった白色なのに対し、柿右衛門の濁手は柔らかく温かみのある乳白色をしています。柿右衛門様式の美しい赤絵に最も調和する素地で、1670年代にその製法が完成したと言われています。
ところが、この濁手は陶石の調合が難しい上に、複数の陶石を混ぜるために焼き上げる時に歪みが生じやすく、作るのが非常に難しいという難点があります。また、江戸中期(1700年代)には「柿右衛門様式」に変わり金・赤を多用した「金襴手様式」が色絵の主流となったのに加え、オランダ東インド会社による肥前磁器の輸出減少、江戸幕府による貿易制限など国内情勢の変化も相まって、次第に作られなくなった濁手の技法は江戸時代中期の18世紀には失われてしまいました。

十二代柿右衛門(1878生~1963没)はその子十三代柿右衛門(1906生~1982没)とともに長い間途絶えていた濁手素地を復元させるため、柿右衛門家に伝わる古文書を基に試行錯誤を重ね、1953年、濁手の復元に成功しました。十二代柿右衛門が復元した濁手の技法は、1955年に記録作成等の措置を講ずべき重要無形文化財に指定されています。1971年に十三代柿右衛門は柿右衛門製陶技術保存会を設立し、濁手の技法は再び失われることのないように継承されています。また、同年4月には国の重要無形文化財「柿右衛門(濁手)」として総合指定を受けました。

現在は十五代目柿右衛門がその技法を継承。先代の十四代柿右衛門は重要無形文化財保持者(人間国宝)です。

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柿右衛門の査定について、お客様から寄せられることの多い質問についてお答えします。

柿右衛門は需要の高さから、作家本人が制作した作品だけでなく、各作家の名を冠して工房で作られた「工房作」が流通しています。工房作は本人が制作した作品より安価で入手でき、買取価格も本人作と比べると安価になります。
「本人作」は共箱に濁手の記載があり、作品には銘はありません。
「工房作」は共箱に錦(にしき)の記載があり、作品には染付で「柿右衛門」の記載があります。
作家の名を冠して工房で作られた「工房作」よりも、作家本人が作った「本人作」のものの方が流通量が少なく高い値段が付きます。
また、共箱(ともばこ)がある場合は、一緒に査定に出しましょう。共箱が無いだけで買取価格が著しく下がることがあります。

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