マイセンについて

マイセンってどんなブランド？高く売れるものはどんなもの？
知って得する豆知識をご紹介します。

白磁の最高峰のブランド！マイセン（MEISSEN）とは？

「マイセン」はドイツのマイセン地方で生産される磁器の名窯です。

マイセンの歴史は17～18世紀頃まで遡ります。17世紀、ヨーロッパでは中国の磁器や日本の伊万里などが盛んにもてはやされていましたが、純白で薄く、硬く艶やかな硬質磁器はヨーロッパでは未だにつくりだすことのできないものでした。当時ドイツのザクセン地方を治めていた選帝侯アウグスト強王は、自国で白磁を作るため、錬金術師ヨハン・フードリッヒ・ベドガーに白磁の制作を命じました。ベドガーは苦労の末、1709年には白磁製法を解明、1710年にヨーロッパ初の硬質磁器窯「マイセン」が誕生しました。マイセンのブランド名は、アウグスト強王がマイセン地域にあるアルブレヒト城内に磁器工場を設立させたことが由来となっています。

マイセンは時代ごとに新しい様式を取り入れ、伝統の継承と共に「磁器による表現の可能性」を追求し続けました。その結果、「様式の宝庫」と言われるほど多彩な顔を持つことになりました。そして今日に至るまで、多くのアーティストたちがマイセンの伝統を継承しながら新しいシリーズを生み出し発展し続けています。

マイセンの買取目安

マイセンは高級磁器メーカーとして知られており、特に希少なデザインや人気のあるコレクションは高い価値がつくことがあります。特定のデザイナーや時代によっても価格が変動します。マイセンの参考買取価格はブルーオニオンやブルーオーキッドのカップ＆ソーサーで5,000円前後、磁器人形の中には買取価格が200,000円を超える品物もあります。

マイセンで人気のシリーズ

食器としてだけでなく観賞用の美術品としてコレクションされるなど、マイセンの食器は高い人気を誇ります。
ここではそのうち一部のシリーズについてご紹介します。

双剣マーク

「双剣マーク」シリーズは、マイセンのロゴマークがメインのデザインとしてフリーハンドで表面に描かれています。透き通るような白磁の中央にマイセンブルーの双剣が映え、シンプルで使い勝手が良く、人気が高いシリーズです。
マイセンのバックスタンプにもなっている双剣マークは、マイセン創立のきっかけになった人物、アウグスト強王の紋章にちなんで定められたものです。

ブルーオニオン

「ブルーオニオン」シリーズは白磁にコバルト色の模様が美しい逸品で、マイセンの代表的なシリーズの1つです。ブルーオニオンは1739年に中国写しの染付の技法を活かして完成しました。もとはザクロ模様に桃と竹が配置されていましたが、ヨーロッパではザクロに馴染みがなかったため見慣れたタマネギ模様に姿を変えてしまい、それが名前の由来となっています。
ブルーオニオンには700点以上のアイテムがあり、さらに年によっては限定モデルなども存在します。

波の戯れ

「波の戯れ」は、水面のさざ波のようなレリーフと、繊細で柔らかな印象のフォームが特徴的なシリーズです。あえて絵付けを行わず、美しいフォームとレリーフを最大限に引き立たせています。レリーフのあるタイプが一般的ですが、シンプルなレリーフ無しの「戯れピュア」と呼ばれるものもあります。普段使いしやすく、贈答品としても人気があります。
波の戯れのシェイプの考案者は、現代マイセンにおける造形の旗手とも言われる「ザビーネ・ワックス女史」です。見た目の美しさだけでなく、カップの飲みやすさ等の実用性においても定評があります。

アラビアンナイト（千夜一夜物語）

「アラビアンナイト」はマイセンの中でも高い人気を誇る高級シリーズです。現代マイセンの５人組の一人、天才絵付師「ハインツ・ヴェルナー」のデザインで、現代マイセンの最高峰の作品群の一つとされています。
マイセンの中でも熟練した絵付師しか担当することが出来ないシリーズで、絵付けの全てがハンドメイドです。24金を惜しみなくあしらった豪華絢爛なデザインと繊細な筆遣いによる絵付けは、見るものを魅了します。

ミッドサマー・ナイトドリーム（真夏の夜の夢）

「ミッドサマー・ナイトドリーム」は、シェイクスピアの演劇、真夏の夜の夢をモチーフとしたシリーズです。こちらもアラビアンナイトと同じくハインツ・ヴェルナー氏がデザインしていて、柔和な色彩や絶妙な濃淡を多用した、優しさに満ちた世界観が魅力で女性から人気があります。青の薔薇で縁どられた世界を絶妙な濃淡で描き上げていて、金やプラチナを惜しみなく使用した豪華な装飾も特徴です。

インドの華

「インドの華」は東洋の食器に着想を得たといわれている、マイセンの有名なシノワズリの一つです。
描き込みが多く豪華な絵付けで細部まで繊細に描かれた「リッチ」と、簡易的でシンプルに描かれた「枝付き」の2パターンがあります。カラーパターンが豊富にあり、ピンクやグリーン、オレンジなどの単色の他、華やかな「多彩色」のものも存在しています。

スワンサービス

「スワンサービス」はその名の通り、白磁に優雅な白鳥のレリーフがあしらわれているのが特徴で、マイセン代表作のひとつです。世界で初めてサービスセットになった歴史的なパターンといわれています。絵付けがなされた「スワンサービス」の他、白磁タイプの「スワンホワイト」も人気のシリーズです。
スワンサービスは現在でも時折世界限定品が発売されていて、コレクターたちから注目を集めています。

フォームシリーズ（宮廷の小花）

マイセンの中でも最高級ラインとして名高いのが「Bフォーム」「Xフォーム」と呼ばれるシリーズで、日本では合わせて「宮廷の小花」とも呼ばれています。マイセンの定番でもある花をモチーフにした中でも、贅沢に使われた金彩が豪華で華やかなシリーズです。
随所に施された金彩はマイセンの秘蔵絵具であるグランツゴールド（光沢金）が使用されています。グランツゴールドは19世紀にH.G.キューンによって開発された特別な絵具で、磨き工程不要で窯から出した時点で既に光沢がある金色になると言われています。
描かれている小花は絵付師によって色や配置が変わるため、他に同じものがない世界に一つだけの食器という特別感があります。