ミントンについて

ミントンってどんなブランド？高く売れるものはどんなもの？
知って得する豆知識をご紹介します。

ミントンはどんなブランド？歴史あるミントンについて解説

ミントンは1793年にイギリスで創業された、王室御用達の食器ブランドです。

金彩を施した豪華絢爛な食器を数々と生み出し、ヴィクトリア女王から「世界で最も美しいボーン・チャイナ」と賞賛されました。「パテシュールパテ」や「アシッドゴールド」など様々な装飾技法を生み出したことでも有名なブランドです。

世界大戦後は金彩をふんだんに用いたそれまでのミントンシリー ズから大きく方向転換したハドンホールシリーズを発表します。ハドンホールの柄はそれまでのミントンのように豪華絢爛ではありませんが、カーネーション、パンジー、パッションフラワーなどの繊細な花柄が描かれたデザインは高い評価を受け、ミントン代表作として世界中に知られるようになりました。ビクトリアストロベリーやシャリマー、スプリングブーケなどのシリーズも人気があります。

1793年に創業されたミントンですが、1973年にロイヤル・ドントンの傘下に加わり、「ミントン」の名でテーブルウェアや装飾陶磁器製品を作り続けていました。しかし、2005年にロイヤル・ドルトングループはウォーターフォード・ウェッジウッドと合体してWWRDに、2015年にはWWRDがフィスカースに買収・整理され、ミントンブランドは廃止になってしまいました。

ミントンの食器は贈り物として人気が高く、かつては日本の百貨店などでも見られました。しかし2009年夏にミントンは日本から撤退していて、2015年にブランドが廃止されたこともあり、国内での入手が難しくなってきています。現存する食器は希少価値が高くなっていて、コレクターズアイテムとして人気を博しています。

ミントンの人気シリーズ

ハドンホール

ミントンの代名詞ともいえるのが「ハドンホール」シリーズです。イングランドの古城、ハドンホール城のタペストリーや壁画からインスピレーションを得て生み出したと言われています。カーネーション・パッションフラワー・パンジーなどの花々を10種類以上の大人しい色使いで表現したこのパターンは、ミントンのベストセラーとなっています。1948年に発表されたオリジナルモデル以外に、様々な派生シリーズ、記念モデルがあります。

ヴィクトリアストロベリー

「ヴィクトリアストロベリー」は、1855年にヴィクトリアより注文を受け制作したと言われています。ヴィクトリアストロベリーはミントンの中でも人気が高いシリーズで、野イチゴのデザインを基に多数のパターンが展開されています。「ヴィクトリアストロベリーハンドペイント」と呼ばれる色付けが施されたシリーズは、葉模様の一つひとつの表情、ワイルドストロベリーのみずみずしい赤がハンドペイントで生き生きと描かれています。2004年には立体的な野イチゴのデザインが美しく、白磁本来のなめらかさを味わうことができる「ヴィクトリアストロベリーホワイト」が発表されました。

シャリマー

「シャリマー」は白磁いっぱいにブルーで緻密に描かれた草花の文様が美しいシリーズです。シャリマー（SHALIMAR）とはサンスクリット語で”癒しと愛の神殿”という意味で、世界遺産でもあるタージマハルに造園された庭園の名前でもあります。ミントンのシャリマーは、その名の通りに使う人の心を癒すような、心落ち着くデザインに仕上がっています。

ダイナスティ

「ダイナスティ」は、ミントンの最高峰商品とも言われている最高級シリーズです。コバルトブルーのラインに純度の高いゴールドが装飾に使われており、煌びやかな美しさを持っています。ダイナスティシリーズの全商品に見られるこの金彩は、手作業で金を分厚く盛り付ける「レイズド・ペイスト・ゴールド」というヴィクトリア時代と同じ技法が使われています。

エキゾチックバード

ミントンの作品の中でも名品と名高い「エキゾチックバード」。1840年にヴィクトリア女王がアルバート公との結婚を記念して注文し、作られた作品です。上品なシェイプに施された贅沢な金彩に、落ち着きのある深い桃色、そして清らかなホワイトで描かれた優雅な鳥の姿が美しい作品です。 ミントンの三大技法と言われる、金を酸で腐敗させることで模様をつける 「アシッドゴールド技法」 、金を盛り上げて模様を施す「レイズド・ペイスト・ゴールド技法」、そして白のエナメルで透き通るような絵付けをする「パテシュールパテ技法」のすべてを用いて作られています。これらすべての技法を使い作られている作品は他にはありません。