ロイヤルコペンハーゲンについて

ロイヤルコペンハーゲンってどんなブランド？高く売れるものはどんなもの？
知って得する豆知識をご紹介します。

ロイヤルコペンハーゲンはどんなメーカー？

「ロイヤルコペンハーゲン（Royal Copenhagen）」はデンマークの老舗陶磁器ブランドです。

1773年に鉱物学者のフランツ・ヘンリック・ミューラー氏がデンマークで初めて白磁の製造に成功したことからスタートしました。骨灰を活用した「ボーンチャイナ」です。1775年にはクリスチャン7世国王とユリアナ・マリア王太后からの援助により「ロイヤル・コペンハーゲン」の前身「デンマーク王立磁器工場」が誕生します。
その後「デンマーク王立磁器工場」は100年以上にわたって王室に管理され数々の名作を生み出していましたが、1800年代になると各地で紛争が起こって閉鎖を余儀なくされます。さらにデンマークの経済状況の悪化により、1868年には経営を民間企業に委ねることに。「ロイヤル」の名を残した「ロイヤルコペンハーゲン」は続々と事業改革を行い、立て直しに成功。 1889年、パリ万博でフィギュリンがグランプリを獲得すると、世界中にその名を知らしめました。

「ロイヤルコペンハーゲン」の製品としては、白い磁器にハンドペイントで描かれる美しいコバルトブルーの唐草模様でが有名で、今でも人気なロングセラーの「ブルーフルーテッド」、世界で一番豪華なディナーセットと謳われ、“デンマークの花”という意味を持つ不朽の名作「フローラダニカ」、1908年から1枚も欠かさず制作されている「イヤープレート」などが有名です。

ロイヤルコペンハーゲンの人気シリーズを紹介

ブルーフルーテッド

ロイヤルコペンハーゲンを代表するシリーズが「ブルーフルーテッド」です。ロイヤルコペンハーゲンが開窯した1775年から制作が開始された伝統的シリーズで、清らかな白磁器にコバルトブルーの美しい唐草模様の絵柄が施されています。今でも1枚1枚に職人の手による絵付けが施されていて、一枚のブルーフルーテッドのプレートを完成させるまでに1,197回も筆が入れられているとも言われています。「ブルーフルーテッド」が世界中から絶賛されているのは、その技術が高い評価を得ているのも理由です。
ブルーフルーテッドにはシェイプの装飾により、「ブルーフルーテッド プレイン」「ハーフレース」「フルレース」と三種類のバリエーションが存在しています。さらに、2000年にはブルーフルーテッドのモチーフの一部を大胆にデフォルメした「ブルーフルーテッド メガ」が誕生するなど、伝統を受け継ぎながら新たな商品づくりが続けられています。

フローラダニカ

「フローラダニカ」はロイヤルコペンハーゲンの中でも最高峰のシリーズです。フローラダニカは「デンマークの花」を意味しており、植物図鑑”フローラダニカ”から名づけられました。熟練のペインターによって絵付けが施され、さらに24金での金彩など豪華絢爛な装飾を特徴としています。
フローラダニカは、1790年、当時デンマークの同盟国でとても親密な関係にあったロシアの女帝「エカテリーナ2世」への贈り物として制作が始まりました。当時は2600点以上の作品を制作する予定だったといわれています。しかし1796年にエカテリーナ2世が他界し、制作は続けられましたがその後王命により制作中止されました。フローラダニカの制作が中止されるまでの12年間で1802個の作品が完成し、以降は特別な席で使われる高貴な食器として使い続けられました。当時のフローラダニカの食器のうち、1530点が現存していて、ローゼンボーグ城に国宝として保管されています。

イヤープレート

ロイヤルコペンハーゲンの「イヤープレート」は、1908年に一番初めのイヤープレートが発売されてから、現在に至るまで毎年製造され続けている伝統的作品です。イヤープレートは毎年生産が終わるとその型を壊してしまうので、過去の年代のものを追加生産することはできません。
鮮やかなコバルトブルーの濃淡のみで表現された美しいデザインは人々に愛され続けていて、毎年の発表を心待ちにする熱心なコレクターが世界中にいます。大切な記念の年のプレゼントにも最適な逸品です。
制作年が古いイヤープレートや、流通量の少なかった年度のイヤープレートには希少価値がついて、驚くほどの高値で取引されるケースも存在します。

ブルーフラワー

ブルーフルーテッドと並んで長い歴史を持つ「ブルーフラワー」シリーズ。1780年頃から2000年代まで220年以上に渡り製作されていた、伝統のあるパターンです。透き通るような白磁器に濃淡の美しいコバルトブルーで描かれる花は、チューリップ・水仙・けし・桜草・カーネーション等15～20種類ある中から、ペインターがそれぞれ自由に選び図案化します。1枚1枚職人が手描きで絵付けをするため、同じ図案でも濃淡が異なり選ぶ楽しみのある食器です。
ブルーフラワーには食器のデザインにより、「プレイン」「カーブ」「アンギュラ」の3種類存在していて、3種類とも花の量や柄が微妙に異なっています。
水彩画のような美しい色調と可憐な花々の組合せはとても上品で、現在でも高い人気がありますが、既に廃盤となっています。

ニューシグネチャー

「ニューシグネチャー」はロイヤルコペンハーゲンの中でも、カジュアルで日常使いにぴったりなシリーズです。2010年に誕生した、ロイヤルコペンハーゲンのトレードマークをカジュアルに、そしてカラフルにデザインしたシリーズとなっています。ニューシグネチャーの素地は”ファイアンス焼き”で作られていて、硬質な印象の白磁と異なり、柔らかなアイボリー色で温かみある仕上がりです。
シンプルかつカジュアルなデザインで人気でしたが、現在は販売が終了しています。